As I have said, there was a lot of talk, among the crowd of us forrard, about Tom's strange accident. None of the men knew that Williams and I had seen it happen. Stubbins gave it as his opinion that Tom had been sleepy, and missed the foot-rope. Tom, of course, would not have this by any means. Yet, he had no one to appeal to; for, at that time, he was just as ignorant as the rest, that we had seen the sail flap up over the yard.
Stubbins insisted that it stood to reason it couldn't be the wind. There wasn't any, he said; and the rest of the men agreed with him.
"Well," I said, "I don't know about all that. I'm a bit inclined to think Tom's yarn is the truth."
"How do you make that hout?" Stubbins asked, unbelievingly. "There haint nothin' like enough wind."
"What about the place on his forehead?" I inquired, in turn. "How are you going to explain that?"
"I 'spect he knocked himself there when he slipped," he answered.
"Likely 'nuff," agreed old Jaskett, who was sitting smoking on a chest near by.
"Well, you're both a damn long way out of it!" Tom chipped in, pretty warm. "I wasn't asleep; an' the sail did bloomin' well hit me."
"Don't you be impertinent, young feller," said Jaskett.
五、ウィリアムスの最後
さっきも言ったが、トムの不思議な事故のことは俺たち、前の連中の間じゃ結構な話題になったんだ。けれども、それが起こるとこをウィリアムスと俺が見てたのを知ってる奴は誰もいなかった。スタビンスの説によると、トムは居眠りこいて足場綱を踏み外したんだろうってことだった。もちろん、トムにはどうしてもこんな話は受け入れがたいものだった。とはいっても、あいつには訴えかける相手がいなかったんだな。その時には、他の奴らと同じく、あいつも知らなかったんだ、俺たちが、帆が帆桁の上まで膨れ上がるのを見てたってことをさ。
スタビンスが主張するのも風が吹いてなかったってのが理由だった。風なんぞちっとも吹いちゃおらんかったぞ、とスタビンスがいうと他の奴らもそれにうなずいた。
「それでと、良くはわからんが、俺にはトムのたわごとも少しは本当なんじゃないかって気がしてきたんだけどな」俺はいった。
「なんでそんことが言えるんだよ」スタビンスがひどく疑わしそうに言った。「あんときゃ、それほどの風なんぞ吹いちゃおらんかったんだぜ」
「じゃ、あいつの額にあるのは何なんだよ」俺はいい返した。「こいつをどう説明するってんだ」
「足を踏み外した拍子に頭をぶつけちまったのさ」
「そげなとこだろうさ」そばの衣装箱に座ってパイプをふかしていた老ジャスケットが言った。
「なにいってんだい、二人とも全然離れた所におったんじゃねえか」トムが熱くなって割りこんできた。「俺ゃ眠ってなんかいなかったぜ、あのど腐れ帆がおもいっきりぶつかってきやがったんだ」
「おい、坊主、生意気言うもんじゃねえぞ」と、ジャスケット。
The Second Mate said nothing, and I glanced at him, curiously. Was he beginning to see, I wondered, how useless it was to try to find any sensible explanation of the affair? Had he begun at last to couple it with that peculiar business of the man up the main? I am inclined now to think that this was so; for, after staring a few moments at Tom, in a doubtful sort of way, he went out of the fo'cas'le, saying that he would inquire further into the matter in the morning. Yet, when the morning came, he did no such thing. As for his reporting the affair to the Skipper, I much doubt it. Even did he, it must have been in a very casual way; for we heard nothing more about it; though, of course, we talked it over pretty thoroughly among ourselves.
With regard to the Second Mate, even now I am rather puzzled by his attitude to us aloft. Sometimes I have thought that he must have suspected us of trying to play off some trick on him--perhaps, at the time, he still half suspected one of us of being in some way connected with the other business. Or, again, he may have been trying to fight against the conviction that was being forced upon him, that there was really something impossible and beastly about the old packet. Of course, these are only suppositions.
And then, close upon this, there were further developments.
二等航海士は何もいわなかった。俺は奴さんをまじまじと見つめた。この人はこの事件にまっとうな説明を付けようなんてことが、どんなに無駄なことかわかってきたんだろうか。ようやくメインを登っていた妙な奴と結び付けて考え始めたんだろうか。今じゃその通りだったんだと思ってる。ちょっとの間、怪訝そうにトムを見つめると、朝になったらもっと話をきくからな、と言い残して船首楼を出ていった。でも朝になっても、そんなことはしなかったはずだな。船長に報告したかどうかだって怪しいもんだ。たとえ話したとしても、たぶん、とても何気ない風を装って、ってとこだったはずだ。俺たちの方にはそれ以上のことは伝わって来なかったからな。もっとも俺たちの仲間内じゃ徹底的に議論されたんだけどな。
二等航海士についていえば、上での俺たちに対する扱いには、今だに理解に苦しむんだ。時々思うんだが、きっと俺たちが一杯食わせた、なんて疑ってたんだろうな。そのときになってもまだ、俺かウィリアムスのどっちかが、他のことにも何かの形で関わっていたとか、半ば疑いの目で見てたんだ。それとも、ねじ伏せていた確信―つまり、あのぼろ船に何か奇怪で、恐ろしいものが本当にあるっていうこと―と真っ向からやりあってやろうとしていたのかもしれない。もちろん、こんなの全部、想像にすぎないんだけどな。
それからすぐ、また事件が起こった。
つづく
kane
今回は後期作品を紹介する。 Carnacki, the Ghost Finder (Mycroft and Moran 1947) 以降の作品集にはこれら9作品が収録されているが、そのほとんどがMycroft and Moran版を参考にしている。
後期作品は全てホジスンの戦死後の発表となっている。また、前期作に比べてオカルト的な要素が強くなっているのも特徴の一つといえるだろう。恐らくさまざまな雑誌に向けて売込みがはかられたのだろうが、作品としてのとっつきにくさが売り込みの失敗につながったのかもしれない。
7.The Haunted JARVEE
Primier Magazine Mar.1929 p539-548
The story of a terrible voyage on a haunted windjammer, recounted by Carnacki, a professional ghosttracker.と副題にある。 Ellis Silasによるイラストが一点付されている。出版年が1929年ということで、ホジスンの版権を譲り受けたベッシイ・ホジスン未亡人の売り込みによるものだろう。
8.The Hog
Weird Tales 39(9) Jan.1947 p6-28
イラストが売りのパルプ雑誌であるが、この作品に関してはイラストは付されていない。
9.The Find
カーナッキ物の中でも、雑誌に掲載されたことがない上、超自然的要素のない全くの異色作であるが、原稿を所有していたモスコウィッツによると、元々は別作品として書かれたもので、“The Dumpley Acrostics-An Incident In the Career of Sackwell Dank, Mental Analyst”というタイトルで、ホジスンが南フランスにいた1913年頃の作品だという。やはり著作権版である“Cargunka and Poems and Anecdotes (A.P.Watt & Son 1914)” も著作権版Carnackiと同じく様々な作品を連続させたものだが、その一部に“The Find”が入っている。
8、9の両作品はMycroft and Moran版が出る頃まではH・C・コーニッグの所有にあったという。この人についてはまた機会を改めて紹介することにしよう。さて、「The Hog」はシリーズ随一の問題作であるが、この作品について知ることは、実はあまりない。1918年ごろから売り込みの記録があるらしいのだが、ことごとく失敗に終わっている。
Weird Talesへはダーレスかコーニッグが売り込んだようだ。ファンとして時々思うのだが、これらの元の原稿はどこへ行ったのだろう。今でもアーカムハウス社の倉庫かどこかに眠っているのだろうか。世界の誰も追跡調査をしていないところから考えると本当に行方不明なのだろう。
kane
毎日のように、試行錯誤しながら、ちょっとずつあちこちをいじっています。
突貫工事で作ったままだったので(笑)。
まだかなりとっ散らかったままですが、これから、少しづつでも、時間を見つけて手をいれてゆこうと思います。
ところで、kaneさん、ここに投稿されている記事を、できればそちらの方にも転載したいと思うのですが、宜しいでしょうか?
なので、ちょっとした小ネタを更新します。
動画投稿サイトYou Tubeに、「The House on the Borderland」の映画の予告編が出ていました。
ロングバージョンは、こちら。
といっても、架空の映画の予告編なんですが(笑)。
でも、面白いですね。イメージ的にも、僕としては悪くなかったです。
こんなものがあるというだけで、ちょっと嬉しかったりしますね。
You Tube には、他にも色々な架空の映画の予告編があって、なかなか楽しいです。
(shigeyuki)
Thomas Carnackiという、アーティストというか、パフォーマンス集団というか、そうしたアメリカのグループがあるようだ。
ディスコグラフィーがこちらにある。
動画サイト 「You Tube」にも、映像が収録されている。
こちらを参照。
音楽(というか、ノイズミュージック)は、聞き手を選ぶものではあるけれども。
ちなみに、上記の「You Tube」には、パロディのような、カーナッキのクレイアニメもあった。
いい機会でもありますので、カーナッキものの雑誌初出時や著作権版についてデータを列記しようと思います。shigeyuki氏がの言う通り、Carnakiものは人気がありますし、それは読みやすく、何と言ってもホジスンの作品の中でも作品としての完成度が高いからではないでしょうか。さて、Carnacki, the Ghost Finder (Eveleigh Nash, London 1913) に収録されているものを初期作品と名付けるとしましょう。その6作品中5作品はIdler誌に掲載され、Florence Briscoeによるタイトルカットと挿絵が数点入っている。また、実際には雑誌初出時には作品名がCarnacki, The Ghost Finder No.X・・・となっているのでこれも見ていただこう。このようなパターンはホジスンの別の作品、ゴールト船長ものでも見られるものだ。
1.The Gateway of the Monster
.Idler Jan.1910 p403-416
Carnacki, The Ghost Finder No.1 The Gateway of the Monster (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here his incredibly weird experience in the Electric Pentacle)
2.The House Among the Laurels
.Idler Feb.1910 p515-528
Carnacki, The Ghost Finder No.2 The House Among the Laurels (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the results of his peculiar and weird investigations in The House Among The Laurels)
3.The Whistling Room
.Idler March 1910 p599-611
Carnacki,The Ghost Finder No.3 The Whistling Room (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the results of his peculiar and weird investigations in The Whistling Room)
4.The Horse of the Invisible
Idler April 1910 p696-713
Carnacki, The Ghost Finder No.4 The Horse of the Invisible (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the details of a peculiarly frightening experience)
5.The Searcher of the End House
Idler June 1910 p996-1012
Carnacki, The Ghost Finder No.5 The Horse of the Invisible (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the details of a peculiarly frightening experience)
怪奇小説の研究家であるR.A.エヴァーツのホジスン評伝“Night Pirate”によると、この作品はホジスンの実体験によるものだったそうだ。以上5作品の内、最初の4作品は著作権版Carnacki, the Ghost Finder, and a poem にまとめられている。5は著作権版には入っていないが、何故だろう。著作権版が出た後になってできたアイデアだったのだろうか。もう一つ、
6.The Thing Invisible
.New Magazine No.34 Jan.1912 p511-20
この作品だけはIdlerではなくNew Magazineに掲載されている。他の作品と同じようにこれにも、副題?がつけられており、“The Weird Story of the゙Woeful Dagger゙of the Jarnock Family”とある。実はこの作品は別の著作権版
“Ghost Pirates; A Chaunty and Another Story (Paul R.Reynolds, New York 1909)”にほとんどそのままの形で掲載されている。Carnackiシリーズが1909年ごろには形になっていたということに注意されたい。
後の作品については次回に。
kane

「幽霊狩人カーナッキの事件簿」 W.H.ホジスン著 夏来健次 訳
創元推理文庫 東京創元社刊
が出ましたね。
何だかんだ言って、ホジスンの作品の中では、「カーナッキ」は人気がありますね。
まだ読んでませんが、完全新訳とのことで、特色としては、各エピソードのタイトルを大きく変えたこと、カーナッキが自分のことを「ぼく」と呼ぶこと、それに、著作権版として作成されたダイジェスト版が付録として収録されていることなどがあるようです。
本邦初訳の作品が収録されているというので、何が収録されることになるのか、多少期待していたのですが、前もって発表されていた「探偵の回想」というタイトルを見て、まさかとは思ったのですが、やっぱりというか、これでした。「カーナッキもの」ばかりを集めた短篇集ですから、まあ、仕方ないですね。
ホジスンの作品には、こうした著作権版が多いのですが、この辺りの事はkaneさんが詳しいです(このエントリーなどを参照)。
kaneさん、何か付け足す事などありましたら、ぜひ(笑)。
(shigeyuki)
