Sigsand Manuscript

ウィリアム・ホープ・ホジスンとその周辺

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carnacki


あんまりにも長い間、更新していなかったので、ちょっとしたネタ程度ですが、更新を。

カーナッキものは、人気があるようで、色々なパスティーシュがありますが、最近もこんなのが出たようです。

CARNACKI: GHOSTFINDER by William Meikle

ウィリアム・マイクというパルプ作家の書いた同人誌というか、手売本のようで、数冊出ていて、ボックスセットもあるようですね。
読んでないので、どんなものだかわかりませんが(汗)。。。



上がyoutubeにアップされていたコマーシャルです。

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今回は後期作品を紹介する。 Carnacki, the Ghost Finder (Mycroft and Moran 1947) 以降の作品集にはこれら9作品が収録されているが、そのほとんどがMycroft and Moran版を参考にしている。

後期作品は全てホジスンの戦死後の発表となっている。また、前期作に比べてオカルト的な要素が強くなっているのも特徴の一つといえるだろう。恐らくさまざまな雑誌に向けて売込みがはかられたのだろうが、作品としてのとっつきにくさが売り込みの失敗につながったのかもしれない。

7.The Haunted JARVEE

Primier Magazine Mar.1929 p539-548

The story of a terrible voyage on a haunted windjammer, recounted by Carnacki, a professional ghosttracker.と副題にある。 Ellis Silasによるイラストが一点付されている。出版年が1929年ということで、ホジスンの版権を譲り受けたベッシイ・ホジスン未亡人の売り込みによるものだろう。

The Hog

Weird Tales 39(9) Jan.1947 p6-28

イラストが売りのパルプ雑誌であるが、この作品に関してはイラストは付されていない。

9.The Find

カーナッキ物の中でも、雑誌に掲載されたことがない上、超自然的要素のない全くの異色作であるが、原稿を所有していたモスコウィッツによると、元々は別作品として書かれたもので、The Dumpley Acrostics-An Incident In the Career of Sackwell Dank, Mental Analystというタイトルで、ホジスンが南フランスにいた1913年頃の作品だという。やはり著作権版である“Cargunka and Poems and Anecdotes (A.P.Watt & Son 1914) も著作権版Carnackiと同じく様々な作品を連続させたものだが、その一部に“The Find”が入っている。

 

の両作品はMycroft and Moran版が出る頃まではHC・コーニッグの所有にあったという。この人についてはまた機会を改めて紹介することにしよう。さて、「The Hog」はシリーズ随一の問題作であるが、この作品について知ることは、実はあまりない。1918年ごろから売り込みの記録があるらしいのだが、ことごとく失敗に終わっている。

Weird Talesへはダーレスかコーニッグが売り込んだようだ。ファンとして時々思うのだが、これらの元の原稿はどこへ行ったのだろう。今でもアーカムハウス社の倉庫かどこかに眠っているのだろうか。世界の誰も追跡調査をしていないところから考えると本当に行方不明なのだろう。

kane

久々にちょっとネットでいろいろと調べていて、カーナッキがらみのちょっと面白いものを見つけた。
Thomas Carnackiという、アーティストというか、パフォーマンス集団というか、そうしたアメリカのグループがあるようだ。
ディスコグラフィーがこちらにある。

動画サイト 「You Tube」にも、映像が収録されている。
こちらを参照。

音楽(というか、ノイズミュージック)は、聞き手を選ぶものではあるけれども。

ちなみに、上記の「You Tube」には、パロディのような、カーナッキのクレイアニメもあった。

 いい機会でもありますので、カーナッキものの雑誌初出時や著作権版についてデータを列記しようと思います。shigeyuki氏がの言う通り、Carnakiものは人気がありますし、それは読みやすく、何と言ってもホジスンの作品の中でも作品としての完成度が高いからではないでしょうか。さて、Carnacki, the Ghost Finder (Eveleigh Nash, London 1913) に収録されているものを初期作品と名付けるとしましょう。その6作品中5作品はIdler誌に掲載され、Florence Briscoeによるタイトルカットと挿絵が数点入っている。また、実際には雑誌初出時には作品名がCarnacki, The Ghost Finder No.X・・・となっているのでこれも見ていただこう。このようなパターンはホジスンの別の作品、ゴールト船長ものでも見られるものだ。

1.The Gateway of the Monster  

.Idler Jan.1910 p403-416

Carnacki, The Ghost Finder No.1 The Gateway of the Monster (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here his incredibly weird experience in the Electric Pentacle)

2.The House Among the Laurels 

.Idler Feb.1910 p515-528

Carnacki, The Ghost Finder No.2 The House Among the Laurels (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the results of his peculiar and weird investigations in The House Among The Laurels)

3.The Whistling Room 

.Idler March 1910 p599-611

Carnacki,The Ghost Finder No.3 The Whistling Room (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the results of his peculiar and weird investigations in The Whistling Room)

4.The Horse of the Invisible  

Idler April 1910 p696-713

Carnacki, The Ghost Finder No.4 The Horse of the Invisible (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the details of a peculiarly frightening experience)

5.The Searcher of the End House

Idler June 1910 p996-1012

Carnacki, The Ghost Finder No.5 The Horse of the Invisible (Thomas Carnacki, the famous Investigator of real ghost stories, tells here the details of a peculiarly frightening experience)

怪奇小説の研究家であるR.A.エヴァーツのホジスン評伝“Night Pirate”によると、この作品はホジスンの実体験によるものだったそうだ。以上5作品の内、最初の4作品は著作権版Carnacki, the Ghost Finder, and a poem にまとめられている。5は著作権版には入っていないが、何故だろう。著作権版が出た後になってできたアイデアだったのだろうか。もう一つ、

6.The Thing Invisible          

.New Magazine No.34 Jan.1912 p511-20

この作品だけはIdlerではなくNew Magazineに掲載されている。他の作品と同じようにこれにも、副題?がつけられており、The Weird Story of theWoeful Daggerof the Jarnock Familyとある。実はこの作品は別の著作権版

Ghost Pirates; A Chaunty and Another Story (Paul R.Reynolds, New York 1909)”にほとんどそのままの形で掲載されている。Carnackiシリーズが1909年ごろには形になっていたということに注意されたい。

後の作品については次回に。

kane

s_1


「幽霊狩人カーナッキの事件簿」 W.H.ホジスン著  夏来健次 訳
創元推理文庫 東京創元社刊

が出ましたね。

 何だかんだ言って、ホジスンの作品の中では、「カーナッキ」は人気がありますね。
 まだ読んでませんが、完全新訳とのことで、特色としては、各エピソードのタイトルを大きく変えたこと、カーナッキが自分のことを「ぼく」と呼ぶこと、それに、著作権版として作成されたダイジェスト版が付録として収録されていることなどがあるようです。
 本邦初訳の作品が収録されているというので、何が収録されることになるのか、多少期待していたのですが、前もって発表されていた「探偵の回想」というタイトルを見て、まさかとは思ったのですが、やっぱりというか、これでした。「カーナッキもの」ばかりを集めた短篇集ですから、まあ、仕方ないですね。
 ホジスンの作品には、こうした著作権版が多いのですが、この辺りの事はkaneさんが詳しいです(このエントリーなどを参照)。
 kaneさん、何か付け足す事などありましたら、ぜひ(笑)。

(shigeyuki)


 このような漫画も、あるようです。
 主人公が女性のようだし、ほとんど関係なさそうですが。。
 英語でさえないので、よくわからないです。
 ↓のアドレスから詳細はどうぞ。

http://www.bries.be/artistsvandewiele.html

(shigeyuki)


 ホジスンの作品の中では、「カーナッキ」がやはりキャラクターとして確立されているから、様々な媒体に──時には名前だけ拝借という形で──使用される頻度が高いようだ。
 ここに画像を紹介したのは、そうした「名前だけ拝借」のパターンのゲーム。
 カーナッキは、以前RPGになったこともあるようだが、こちらは純然たる、「バッタもん」。
 ゲーム名は「Go to Hell」。モバイル用のゲームのようだ。説明を見ると、どうやらTom Carnackiというゴーストハンターが、ゾンビを倒して行くという、横スクロールのアクションゲームのようだ。まあ、間違いなくホジスンの「カーナッキ」にインスパイアされたものでしょうね。
 下記のサイトから、ダウンロードができるようだ。

http://www.mauj.com/games/games2.php?cid=670&catid=


c_2
 この、ダレースの手がどれだけ入っているかが、大問題なのだ。
 もし、この作品の大半がホジスンの手によるものであれば、ホジスンは「ナイトランドクロニクル」を意図していたということになる。豚の妖怪は明らかに「異次元を覗く家」のそれと同じだし、作品の最後でカーナッキの口を借りていろいろと述べられているところは、「ナイトランド」の成立と結びつく。
 けれども、もし、この作品の大半がダレースの筆によるものだったとしたら?
 その場合、ダレースの意図は明白だと思える。
 ダレースは、ホジスンの作品を体系付けることによって、ホジスンをクトゥルー神話の「預言者」の一人にしたかったのだろう。
 だが、実際のところは、ホジスンとダレースにしかわからない。分かっているのは、この作品が、「カーナッキ」の作品中、最も完成度の高いコズミック・ホラーになっているということだけだ。
 この作品がホジスンの手によるものであったら、素直に嬉しいが、もしこれが仮にダレースによるものであったとしたら、元の「The Hog」は、一体どんなものであったと想像できるだろう。
 もしかしたら、「The Ghost Pirates」に対する「The Phantom Ship」のように、「異次元を覗く家」に対する後日譚のようなものとして、起草されたものだったのかもしれない。
 "Carnacki the Chost-Finder"が初めて出版されたのは、1913年のことで、出版社はEveleigh Nash。
 実は、このときに収録されていた作品は、前半の6作品、つまりThe Thing Invisible, The Gateway of the Monster, The House Among the Laurels, The Whistling Room, The Searcher fo the End House, The Horse of the Invisibleのみだった。
 しかし、現在一般に流布している版は、1947年にオーガスト・ダレースの尽力によって出版されたMycroft & Moran社のものを基にしている。その時追加された作品が、後半の3作品で、つまりThe Haunted Jarvee, The Find, The Hogである。
 ホジスンを研究していた、故サム・モスコヴィッツは、この三つの作品は、やや問題があると言う。
 まずThe Haunted Jarveeだが、この作品は1918年のホジスンの死後、雑誌「The Premier Magazine」の編集者の要望にこたえて、ホジスン夫人が残された原稿の中から拾い上げたものだが、実際に日の目を見たのは、1929年のことだった。
 残る二作のうち、The Hogは、1947年にWeird Talesに掲載されたのが最初で、The Findに関しては、単行本化の際、初めて世に出た。
 モスコヴィッツによると、この三つの作品には、いずれもダレースによる大幅な加筆が加えられていると言う。
 The Findは、もともとは「The Dumpley Acrostics-An Incident In the Career of Sackwell Dank, Mental Analyst」というタイトルで1913年頃にホジスンが南フランスで執筆したもので、カーナッキものでさえなかったというのが、モスコヴィッツの意見だ。なるほど、たしかにこの作品は、明らかに毛色が違うから、その意見も頷ける。
 The Haunted Jarveeは、雑誌掲載時のものと単行本のものとでは、多少違うという。
 そして、The Hog。
 この作品に関しては、さらにあやふやになる。
 モスコヴィッツによれば、ホジスンの手紙などには「The Hog」と題された作品についての言及がみられることから、核となっている部分については間違いなくホジスンのものであろうと考えられるが、どの程度ダレースによる手が入っているのかはわからないようだ。

(この項、続く)


(shigeyuki)



 ホジスンの作品には、テキストに色々と問題のあるものが多いようだ。
 ホジスン自身が、作品を何とか売ろうとして何度も書き直してはあちらこちらに送付したせいで、様々なバージョンが出来てしまったというのが一つ。
 でも、それよりも問題なのは、ラヴクラフト一派によるホジスン再発見の際、もとの作品が散々に弄くられてしまったということがある。おかげで、どこまでが本当にホジスンの手によるものなのか分からない作品も、少なくない。

 ここで話題にするつもりなのは、「幽霊狩人カーナッキ」の最後を飾る「The Hog」。
 この翻訳には二種類あって、国書刊行会のドラキュラ叢書では、「妖豚」のタイトルで大瀧啓祐氏による邦訳が収録されており、角川から文庫化されたホラー文庫版では「外界の豚」のタイトルで、野村芳夫氏による邦訳となっている。
 
 「カーナッキ」の収録作品中、最も長く、最も濃密なこの作品は、一体、本当に全てがホジスンの手によるものなのだろうか。
 僕には、これは結構大きな問題だと思える。
 この作品は、明らかに、ホジスンの「異次元を覗く家」と「ナイトランド」を繋ぐ作品として存在していると思われるからだ。
 

(この項、続く)


(shigeyuki)

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