Sigsand Manuscript

ウィリアム・ホープ・ホジスンとその周辺

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 古本屋で、「季刊幻想文学」の18号を見ていると、次のような作品に眼が留まりました。
「阿武天風譚 絶海に生き残った親子三人(W・H・ホジスン原作)」
作品の方は2ページの抄録の形でしたが、解説代わりの横田順彌氏と会津信吾氏の対談によると明治44年に雑誌「冒険世界」において訳出されたということでした。そこで、明治44年の同誌を調べてみると、7月15日発行のものに「絶海に生き残った親子三人 天風生譚」として掲載されており、巻頭には紙面大のイラストが一葉ありました(1)。内容としては、「静寂の海から」の訳で、若干の手は加わっているものの、ほぼ忠実な翻訳でした。次はそのイラストです。それなりに雰囲気が出ていると思いませんか。
20070311181258.jpg

「静寂の海から」は短編集「海深く」に収録されており、原題を「From the Tideless Sea」といい、本来は前編、後編に分けて発表されました。前編「From the Tideless Sea」の初出はアメリカで先に発表され、次にイギリスで発表されています(2)(3)。後編は「More News from the Homebird」のタイトルで、1907年にアメリカで発表され(4)、しばらく経った1911年になってようやく「Fifth Message From the Tideless Sea」とタイトルを代えてイギリスで発表されます(5)。
私たちの良く知る「From the Tideless Sea」の形になったのは、1914年に出版された短編集「Men of the Deep Waters」に収録されてからです。
 さて、「絶海に生き残った親子三人」は後編の方で、雑誌掲載が明治44年、西暦でいうと1911年になります。
恐らく訳者はLondon Magazineを読んでいたのでしょう。対談によると当時の出版業界の関係者たちは熱心に海外のものを調べていたそうなので、探せばまだ面白いものが見つかるかもしれません。少なくとも私は明治44年という時期に日本人がホジスンの作品に眼をやっていたことが驚きでした。

kane

(1) 冒険世界 4(11) 明治44年7月15日p3,p52-58                   
(2) Monthly Story Magazine 2(6) April 1906 p1198-208
(3) London Magazine No.105 May 1907 p264-74
(4) Blue Book Magazine Aug.1907 p758-769 
(5) London Magazine 26(3) May 1911 p389-400

追記
3月14日、shigeyuki氏の情報により書誌情報を修正


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これはすごいですね。
全然知りませんでした。
面白くなってきました。

実は、少し前に冒険世界とかその辺りの雑誌に何かあるんじゃないかという気がして、国会図書館に行ったときに目録を調べた事があるのですが、全てマイクロフィルムになっていたので、面倒になって諦めたことがあります。でも、ドンピシャでホジスンの作品が翻訳されていたとは、驚きです。明治44年といえば、1911年。まだ生前ですからね。これはすごいことです。現物をみてみたいですね。

2007.03.11 22:00 URL | shigeyuki #- [ 編集 ]

国会図書館へ行かれたのなら、参考図書室に「東京大学法学部所蔵明治文献目録」なるものがあり、様々な雑誌の目次ページだけが冊子になっています。私はこれで探しました。
タイトルを追いかけているだけでも面白いのですが、当時の習慣だったのか、原作者の名はほとんど載っていませんでした。
マイクロフィルムは見ていると眼が疲ますよね。私は車酔いみたいになってしまいました。

2007.03.12 23:00 URL | kane #- [ 編集 ]

さっき、ちょっと調べてみたのですが、古書検索サイトのスーパー源氏で
http://w1.newgenji.co.jp/cgi-bin/search.pl?CID=1&ds=newsgenji08&sm=s&rc=50&of=1&gf=name&gk=%96%60%8C%AF%90%A2%8AE&ff=1
のがありました。
冒険世界 4(11)、明治44年の8月発行のものです。ここには「絶海の親子四人」という作品が収録されているようなのですが、これは関係ないんでしょうかね?
ちなみに、古書検索サイトの「日本の古本屋」には、その前号の4(10)も出ていました。7月16日号というのは、もしかしたらこれですかね?値段は、それぞれ4200円と6000円です。

2007.03.13 21:34 URL | shigeyuki #- [ 編集 ]

!!まさしくこれがその本です。私の書誌情報が間違いです、5巻ではなく11巻ですね。
でも4人ではなく3人です。

2007.03.14 20:57 URL | kane #- [ 編集 ]

でも、微妙な感じですね(笑)。
問い合わせてみないと、分からないような。。。
4000円は、思ったほど高くはないですが、古雑誌は、保存が面倒だし、買うのはちょっと躊躇うところもありますね。
冒険世界は、どういう出版形態だったのでしょうね。八月号で11号というのは、途中で臨時増刊が三冊ほど入っているということなのでしょうかね?

2007.03.14 22:45 URL | shigeyuki #- [ 編集 ]

今日、仕事が休みだったので、千鳥が淵へ桜見物がてら、国会図書館へも立ち寄りました。
それで、この「冒険世界」のマイクロフィルムを見てきました。
表紙と目次も一緒にコピーしてきたので、幾つかの謎も解けました。
長くなりそうなので、あとで記事としてアップします。

2007.03.30 19:08 URL | shigeyuki #- [ 編集 ]













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2007.10.05 10:45 | ゆきの記録

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