Sigsand Manuscript

ウィリアム・ホープ・ホジスンとその周辺

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"'I wish you wouldn't, Baumoff!' I said.

"'Don't ― be ― silly!' he managed to say. But the two latter words were more groans than words; for between each, he had thrust home right to the heads in the palms of his hands the two remaining steel spikes. He gripped his hands shut, with a sort of spasm of savage determination, and I saw the point of one of the spikes break through the back of his hand, between the extensor tendons of the second and third fingers. A drop of blood beaded the point of the spike. I looked at Baumoff's face; and he looked back steadily at me.

"'No interference,' he managed to ejaculate. 'I've not gone through all this for nothing. I know ― what ― I'm doing. Look ― it's coming. Take note ― everything!'

"He relapsed into silence, except for his painful gasping. I realised that I must give way, and I stared round the room, with a peculiar commingling of an almost nervous discomfort and a stirring of very real and sober curiosity.

"'Oh,' said Baumoff, after a moment's silence, 'something's going to happen. I can tell. Oh, wait ― till I ― I have my ― big demonstration. I'll show that brute Hautch."

"I nodded; but I doubt that he saw me; for his eyes had a distinctly in-turned look, the iris was rather relaxed. I glanced away round the room again; there was a distinct occasional breaking up of the light-rays from the lamp, giving a coming-and-going effect.

"The atmosphere of the room was also quite plainly darker ― heavy, with an extraordinary sense of gloom. The bluish tint was unmistakably more in evidence; but there was, as yet, none of that opacity which we had experienced before, upon simple combustion, except for the occasional, vague coming-and-going of the lamp-light.

****************

 「止めたほうがいい、バウモフ」私は言った。
 「馬鹿な……ことを……言うな!」彼は必死にそう言った。だがそれは言葉というより、半ば呻きに近かった。というのも、彼はそう言いながら両手の手のひらに、残った二つの鋼のスパイクを深く突き刺していたのだ。それから彼は思い切ったように、痛みに耐えるように震えながら、手を握り締めた。私はスパイクの針の中の一つが、中指と薬指の伸筋腱の間を通って、手の甲まで貫いたのを目にした。血の雫が、スパイクの先から滴った。私はバウモフの顔を見た。彼はしっかりと私を見詰めていた。
 「なんでもないさ」と彼は叫んだ。「僕は意味のないことをやっているわけじゃないんだ。僕は自分が何をやっているのか理解している。見てろ……今にくるぞ。ちゃんと記録しておいてくれよ……完璧に!」
 彼は黙り込んだ。聞こえてくるのはただ彼の苦しそうな喘ぎ声だけだった。私は付いて行くしかないと思った。それで私は、過敏ともいえるほどの不安と、現実的で冷徹な探究心の入り混じった気持ちで、部屋を見渡した。
 「ああ」とバウムオフはしばしの沈黙のあと言った。「何かが起こる。僕には分かる。ああ、待ってくれ……僕が……僕の大事な仮説が……実証されるまで。僕が魔の戸口を開いて見せてやる
 私は頷いた。だが、彼が私を見ているのかは疑わしかった。彼の視線は焦点を結ばず、虹彩が開いていた。私は再び部屋の中を見渡した。部屋の中では、ランプからの光線が時々ふと途切れ、それが光が行ったり来たりして揺れるような効果を生み出していた。
 部屋を覆う空気が、息のつまるような異様な感覚とともに、再びはっきりと暗く──重くなった。青みがかった色合いが、さらに濃くなった。だが、今のところはまだ私たちが先ほど経験したほどの暗さではなく、ふとした時を除いては、ぼんやりとしたランプの光が、揺れるような強弱をつけながら部屋を照らしているだけだった。

"Eloi Eloi Lama Sabachthani"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Transrated by shigeyuki



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 グレーの部分の意味がよくわかりません。正確には、Hautchの意味がわからないのですが。hatchかな、と思い、こう訳してみましたが、どうでしょうか?
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意味がよくわからないという「Hautch」という単語を調べてみましたが、私の英和辞典にはでていませんでした。そこで“Eloi Eloi Lama Sabachthani”の雑誌初出である“The Baumoff Explosive”(Nash's Illustrated Weekly 2(2) Sep.20 1919)にはHautchではなくHautelとなっていましたがどちらにせよ意味は分かりません。何かの固有名詞なのでしょうね。そのうち図書館へ行った折に調べてみようと思います。

2007.07.30 23:38 URL | kane #- [ 編集 ]

kaneさん、わざわざどうもありがとうございます。
うーん、どちらにしても、よくわからないですね。ネットで検索したら、Hautelはどこかの言葉でhotelの意味のようですが、関係なさそうですね。

2007.07.31 21:29 URL | shigeyuki #- [ 編集 ]

そうなんです、ネットではどちらの単語も引っかかるのですが、語の意味が分かりそうなものがないんですよね。

2007.07.31 23:58 URL | kane #- [ 編集 ]

この話は、「The Dream of X and Other Fantastic Visions: The Collected Fiction of William Hope Hodgson vol. 5」に収録される予定なのですが、どうなっているんでしょうね。本当に刊行されるのか、怪しくなってきましたね。

2007.08.01 21:17 URL | shigeyuki #- [ 編集 ]













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