Sigsand Manuscript

ウィリアム・ホープ・ホジスンとその周辺

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 The two Mates still stood together, and I saw them look bewilderedly at one another, though neither spoke. I looked astern and saw a mighty shape of blackness, with a glimmer of dark waters. It was the night we had left.
 Slowly, as my faculties began to work, I saw things more plainly. Afar on my left rose a vast range of shadowy peaks, showing ghostly.
 Between them and where I stood rolled an immensity of luminous misty waves that fluctuated eternally.
 To the right, the eye swept away into unutterable distances, and over all reigned an intolerable silence. A coldness like that of a tomb crept over me. I shivered. Once the brooding silence was broken by a moaning, as of a distant wind.
 Presently I put out my hand through the winding mist and felt something hard; it was the rail running across the break of the poop.
 I looked down, but could see nothing. I took a step forward and stumbled against a hard object; it was a hencoop, and gropingly I sat down on it. I felt strangely tired and bewildered. How long I sat there it would be difficult to say. Time seemed to have no part in that dread place. The cold grew more intense, and I have an indistinct memory of shivering through an indeterminable space of time.

****************

 二人の航海士はまだ並んで立っていたが、彼らは二人ともども当惑して、言葉も出ないように見えた。わたしは船尾方向に目を遣ったが、そこには暗い海の仄かな輝きとともに、何か巨大な暗闇の塊のようなものが見えた。それは我々がさっきまでいた「夜」であった。
 徐々に自分を取り戻すにつれ、わたしには事態がよりはっきりと見えるようになった。わたしの左舷方向の彼方に、頂が蒙昧とした巨大な山の連なりが聳え立ち、亡霊のように見えていた。
 その連なりとわたしの立っている場所との間には、絶えず変化を繰り返している、輝く霧の波の広大な空間が広がっていた。
 右舷方向には、視覚は言いし得ない広漠に飲み込まれてしまい意味をなさず、辺り一面は耐え難いほどの静寂に支配されていた。墓穴に横たわっているかのような寒気がわたしを覆っていた。わたしは震えていた。ふと、気の滅入るような沈黙が、微かな風のうなりによって破られた。
 すぐにわたしは手をうねる霧の中へ伸ばした。すると手は何か固いものに触れた。それは船尾にまで伸びている舷檣だった。
 わたしは下を見下ろしたが、何も見えなかった。私は前へと進んだが、何か固いものに躓いた。それは鶏舎で、わたしは手探りをしつつその上に座った。わたしは奇妙な疲れを感じ、訳がわからなくなっていた。どれほどの時間そこにそうして座っていたのかわからない。時間は、そのような死者の地では意味をなさないように思えた。寒さがさらに激しくなり、果てしないと思えるほどの時間ずっと震え続けていたというような、曖昧な記憶しか残っていない。

"The Riven Night"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Transrated by shigeyuki


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